「任意後見契約」と「家族信託」の動向
新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
昨年頃から「任意後見契約」と「家族信託」についての相談が増えてきました。
今回はこの2つについてお話します。
「任意後見契約」は、ご本人が十分な判断能力を有する時に、あらかじめ、任意
後見人となる方や将来その方に委任する事務の内容を公正証書による契約で定め
ておき、本人の判断能力が不十分になった後に、任意後見人が委任された事務を本
人に代わって行う制度です。
これに対し、「家族信託」は、自分の老後や介護時に備え、保有する不動産や預
貯金などを信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる財産管理の方法です。
【共通点】
1ご本人が十分な判断能力を有する時にご本人の意思で決めるもの
2本人の判断能力が不十分になった後にも役立つもの
【相違点】
「任意後見契約」
任意後見人は家族以外の人でも結構です
本人の判断能力が不十分になった時以降に効力が発生する
財産の管理が主。処分は例外
「家族信託」
託す相手は、家族に限定
信託時から効力が生ずる(ただし、効力発生時を指定できる)
名義を受託者に変更する(例えば、登記名義の変更)
受託者は、管理・処分ができる
2つの制度は、元々違う経緯の制度ですが、結果的には、かなり近いものになっ
ています。ご相談者にこの差を説明するのはかなり大変ですが、この2つの違いを
しっかり理解していただいたうえで選択してもらうことが必要です。
詳しい説明をさせていただきますので、いつでもお気軽にご連絡ください。